home documents shop link off the gallery
 
 

-34- 白 (2/7)

 



 昔は、印画紙といえばバライタ紙のことで、それしかないのだから、あえてバライタ紙という呼び方もしていなかったように思う。そのバライタ紙も、現在のような作品のための高級厚手のものは、あまり普及してなかった気がする。
 思うとか、気がする、というふうにあいまいなのは、よくわからないまま印画紙を買っていたからだ。
 身近に暗室があった。暗室で遊ぶには印画紙があればいいらしい。カメラ店、というより、カメラ材料店のようなところに行ってみると、いろいろと種類がある。が、種類の意味がまったくわからない。けっきょく買ったのは、値段が安くて、枚数が多く入っているものだった。
 そうした安価な印画紙は、薄手のものだった。少しはコシがあったが、現像液に入れたとたんフニャフニャになってしまって、いったいどう扱えばいいのかわからなくなるような代物だった。もちろんそれほど薄いはずはないが、金魚すくいの薄紙を扱っているような感覚になった。
 乾燥すればもとにもどるかというと、そうではない。洗濯バサミで干しておくと、みごとにクルクルになる。本に挟んだくらいでは、まったくもとにもどらない。窓ガラスにはって乾かすことを試してみた。ぴったりくっついてしまって、どうしようもなくなったものもあったが、なぜか偶然うまくはがせたものには、美しい光沢が生まれていたものもあった。
 カメラも引き伸ばし機もなかったので、ベタ焼きやフォトグラム(という技法は知らなかったが)のようなことをやって遊んでいた。ただ光を当てて真っ黒にしてみた印画紙もあった。逆に、光を当てずに真っ白のままに処理をした印画紙もあった。光沢が生まれた印画紙は、幸か不幸か、真っ白なままの印画紙だった。もともと、どうでもいいものばかりだったので、クルクルやシワシワになった印画紙は捨て、真っ白な印画紙だけとっておいた。

 


| back | next |

 

 

| site map | access | contact |
Copyright (c) 2001- photographers' gallery, All Rights Reserved.