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 既に2ヶ月以上前の話題になってしまったが、遅ればせながら取り上げる。松江泰治の新作作品集が、2点同時に刊行された。2冊とも、森山大道のレゾネを刊行した、大和ラヂヱーター製作所を発行元とし、写真集としては、手頃に入手できる価格が設定されている。タイトルは、サバンナや砂漠、岩場など、その多くが人の手が入っていない、未開発の自然の光景が写し撮られたほうが『gazetteer』、高層ビル群や住宅がひしめく都市の光景のほうが『CC』と名付けられている。前者は「地名辞典」を、後者は”City Code”の略、すなわち空港で使用される都市のコード名を示している。
 帯文には森山が文章を寄せている。参考に、それぞれの文句を記しておこう。「あまりにも、あまりにもドラスティックなトポグラフィー。」(『gazetteer』)「この視界は、ほとんど都市を暴くビジュアル・スキャンダルに他ならない。」(『CC』)この森山の表現は、キャッチ・コピーとしては的確に松江の写真を表現している。しかし、この2つのコピーは、それぞれのシリーズの差異を抽出しているが、実質的にはこれらの写真に差異は無いように見える。いや、次のように言ったほうが、より正確かもしれない。モティーフの明らかな差異を持った、これら2つの作品群は、その差異を差異として了解するよりも、この差異を等価なものとして読んだほうが、より興味深い、と。

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