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三島 靖 MISHIMA Yasushi

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43:「幸福な時代」の写真部員たち

2005.9.23.


 東京・調布市の電気通信大学キャンパスで、「学生合同写真展'05」という大きな写真展(九月一六日〜一八日)があることを偶然知り、出かけていった。
 この写真展は、都内都下および近県の大学の、写真部やカメラクラブ二十七部の参加によって構成され、一〇〇人を超える出展者がそれぞれの作品を展示している。この人数では、ひとりが展示できるスペースは決して大きくはないが、それでもいまの時代に「大学写真部」に属する人たちがどのような写真を追いかけているのか、ということの一端は、存分に見せてもらうことができた。
 たいへん失礼ながらわたしは、大学のサークル活動の中で「写真部」などというのはとっくに化石のような存在だろうと思っていたわけで、すくなくとも参加の大学では写真が「部活」としてこんなにも熱心に続けられていたのかということにまず驚かされた。ひところは若い女の子たちがずいぶん写真を撮ったとはいえ、いまもあちこちの女子大に写真部があるということにさえ驚いてしまったりする始末で、いくつかの写真学科や専門学校から学生さんたちに話をするよう招いていただいたことまでありながら、わたしはまったく不勉強であった。
 また、ひとつの組織で多人数の参加者というならまだしも、さまざまな学校の学生さんたちの集まりを仕切るのは容易ではなかったと思われ、よくぞ開催が実現したと思う。案内のチラシを見ると、指導者の名に写真評論家の福島辰夫氏の名があり、いまも熱心に若い人たちの活動に付き合っておられることには感心した。ひとこと多いといわれるのを承知で書いておけば、「若い人」、まして写真を志す若者などにまともな大人が付き合えるものではない。どうしても付き合いたいなら無限に近い忍耐力が必要だ。まったく頭が下がる。
 さて、写真展そのものについてだが、わたしは参加した学生諸君がどのような将来を考えて写真を撮り発表しているかということはまったくわからない。だから、この試みがいいとか悪いとか、特定のこの人の写真がよかったとか悪かったとか、そういうことはいわない。
 ただ、もしチラシに書かれている「写真を志す個人として出発」という言葉が本当に、参加した学生さんたちの大半に共通した思いであるならば、この人たちは、つぎに自分がなにをしなければならないかということは、いみじくもこの写真展そのものを通して存分にわかったはずである。
 ……ふつうならここで終わるところだが、ひょっとして参加・観覧した学生さんがひとりでも読まないとも限らないので、もうすこしサービスしておこう。
 まず、君は、自分とほとんど同じポジションで写真をやっている一〇〇人以上の作品を一度に見たはずだ。君の写真がどこらへんにあるかということは、まがりなりにも写真をやってきた君ならば一発でわかったはずだ。さらに、君の「志」としてある写真はもちろん、この一〇〇人以上の作品の、そのまた「先」にあるはずだろう。
 君がもし「写真を志す個人」であるならば、君のサークルのメンバーも、この写真展で知り合った他大学の学生写真家たちも、誰一人、決して君の「仲間」でないことは承知と思う。君のすべきことは、一刻も早くこの場所を離れ、ひとりで写真を撮ることだ。そしてその写真を「仲間」でないひとに突きつけることだ。
 もし君が本当に「写真を志す個人」であるならば、そのことにいくらアセってもアセり過ぎということはない。一〇〇人もいれば君以外にそのことに気づいて今日からもう始めているやつも一人くらいいるだろう。もうひとアセりしていい、ということだ。
* http://www3.to/godophoto

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