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078/毎日新聞夕刊 2006年4月24日 文化 批評と表現 テキスト:飯沢耕太郎
photographers' gallery press no.5
 
 東京・新宿の雑居ビルにphotographers' gallery(フォトグラファーズ・ギャラリー/03・5368・2631)ができてから、早いものでもう5年になる。北島敬三を中心に笹岡啓子、王子直紀、本山周平、高橋万里子、西村康らによる「自主運営ギャラリー」である。
このギャラリーの特徴は、展示やイベントの企画の質が他のギャラリーと比較して格段に高く、しかも外部に向けて風通しよく開かれていることだろう。とかく「自主運営ギャラリー」というと、メンバーの作品を交互に展示するだけで終わってしまうことが多い。
その点で、このギャラリーの企画の多様さと目のつけどころのよさにはいつも感心させられる。昨年も、メンバーの展示に加えて比嘉豊光、大島洋、港千尋といった外部の写真家たちの企画展が開催され、レクチャーやシンポジウムも積極的におこなわれた。
 年に一度のペースで刊行される『photographers' gallery press』も注目すべき出版物である。ギャラリーの活動やメンバーの作品紹介のページはあるが、基本的には幅広い活動をおさめた「写真年鑑」をめざす機関誌といえるだろう。
 今回の第5号を見ても、第一特集は同ギャラリーの主催で横浜のBankARTで開催されたシンポジウム「写真のシアトリカリティ」(林道郎、土屋誠一ほか)の記録だが、東松照明を中心に運営された「WORKSHOP写真学校」(1974〜76)の回顧など多彩な記事が掲載されている。口絵を飾る北島敬三の「A.D. 1991 U.S.S.R」もソ連最後の年に撮影された、異様な迫力のポートレートの力作である。
 写真を「批評」として論じる場がなし崩しに消えてしまった現在、この機関誌の果たす役割はより大きくなりつつあるのではないだろうか。
(いいざわこうたろう=写真評論家)

 
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