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070/日本カメラ10月号 写真展プレビュー9/20〜10/20 テキスト:上野修
本山周平写真展「The Time of Castles,the Everydayness of Light」
「繊細な光が描き出す静謐な緊張感が張りつめた作品群」 |
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本山周平さんは、共同運営のphotographers' galleryのメンバーとして、さまざまな活動を行いながら、精力的に自身の作品も発表している、新進気鋭の若手写真家。北は北海道から南は沖縄まで、全国を旅して撮影している『SM TABLOID』シリーズは、写真展、すでに十四冊を数える大判の写真集、インターネットでの撮影記と、マルチ展開で発表されており、ファンも多い。今年は、そうした活動に加えて、沖縄の中城城址を撮った写真二百枚を選ばずにそのまま展示、写真集としてもまとめた『世界1』を制作。そして、EU・ジャパンフェスト日本委員会のプロジェクトで撮りおろした、ルクセンブルグとオランダの写真集の発行、それに合わせた今回の展覧会の開催と、いっそうパワフルな展開を見せている。「よく“作風がないね”って言われたりするんですが、作風なんてなくていいと思うんです。つねにそういう他人の期待を裏切り、自分を裏切り、自分も他人も挑発していきたい。決まったフォーマットや、自分のスタイルといったものにこだわるのではなく、自由でありたい。だから、変化や過程を含めて見せていこうと思ってるし、毎回挑戦状を叩きつけるつもりで発表しています」
『SM TABLOID』シリーズは、荒削りな魅力を感じさせるものだったが、今回の『The Time of Castles,the Everydayness of Light』は、その対極のような、静謐な緊張感がはりつめた作品。
「行った時の感覚を大切にして、現場で感じたことを、そのまま出していくのが基本的な自分のスタンス。一ヶ月半くらい滞在して毎日撮影していたのでブローニーで四百本くらい撮りました。すごくいろいろなものを撮ったんですが、削ぎ落として選んでいったら、やはり一番最初に受けた強い印象ものが残った。日本だと山などたいてい背景に写るものがあるんですが、オランダは空と地面だけで遠景がないのに戸惑った。だから、オランダは空と地面の写真が多いんです。ルクセンブルグは、呆然とするほどの圧倒的な時間の集積が感じられた城跡ですね。撮影は去年の十月なんですが、光が弱い季節だったので、なおさら時の厚みを感じたんだと思います」
暗さのなかに繊細な光が描き出すディテールは、オリジナルのプリントでより魅惑的なものになっている。この光の魔術に込められた、静寂のなかに熱さほとばしる新たな挑戦状を、ぜひ展覧会で受けとめてみてほしい。 |
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