講座概要
1960年代後半から《日付絵画(デイト・ペインティング)》をはじめとする《トゥデイ》シリーズを開始した河原温。その制作は現在まで続き、アーティストの死によって終息することが予告されている。河原の代表作であるこのシリーズは、コンセプチュアル・アートの「絵画」作品として認知されている。だがカナダ出身のアーティスト、ジェフ・ウォールはそれをモノクローム絵画と写真の接点に生じたものとして論じている。この批評を出発点として、今回の講座では「写真論」としての河原温を、いくつかのシリーズから検証してみたい。
河原温 On Kawara (1933-)
日本出身のアーティスト。1965年よりニューヨークに拠点を移す。初期のドローイング作品から一変して、60年代後半より《日付絵画(デイト・ペインティング)》シリーズなどコンセプチュアルな作品を制作する。《日付絵画》を核とした《トゥデイ》シリーズには他に各暦年をタイプで打ったリストや、「I am still alive.」という文面の電報を世界各地から発信するシリーズなどがある。
参考文献
Wall, Jeff. "Monochrome and Photojournalism in On Kawara's Today Paintings." In Robert Lehman Lectures on Contemporary Art, vol. 1. Ed. Lynne Cooke and Karen Kelly. New York: Dia Center for the Arts, 1996, pp. 135 - 156(ジェフ・ウォール「河原温<Today>のシリーズにおけるモノクロームと報道写真」、『美術手帖』1998年3月号 169〜180頁).
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