講座報告
今回の講座では、国際展の現況と可能性をセビリア・シンガポール両ビエンナーレの報告を兼ねて前田氏に語って頂きました。昨今、濫立する国際展の正当性として、同時代性や場所性、多文化主義が標榜されている一方で、その無前提な肯定と同時に、量産可能で安直な構造の作品が制作されるといった弊害が生じているのではないだろうか。この傾向への批評として、かつ機能不全に陥っている国際展の可能性として、セビリア・ビエンナーレは多分に示唆的なものだった、ということでした。そこでは、現在の政治状況に対して芸術が如何に関わることができるかという危機意識のもと、物故作家の作品の採用や作品配置などが、強いキュレーターシップによって周到に構成され、世界における「囲い込み」の状況への問題意識が貫かれており、国際展の可能性をキュレーティングに探ることができるのではないか、と前田氏は強調されました。
※画像をクリックすると拡大されます
|