講座概要
2005年10月にphotographers' galleryで開催した港千尋展「Augustine Bataille Explosion #1:Entoptic and Ecstasy」では、19世紀末、サルペトリエール病院の患者のひとりであったオーギュスティーヌの観察・治験の記録写真を中心にご紹介しました。今回、再び港千尋氏を講師に迎え、サルペトリエール病院の写真部門において中心的な役割を担ったアルベール・ロンドの仕事を検証して、「写真」が可能にした観察と記録、そして記録によってもたらされた「時間」について考えます。
[アルベール・ロンド Albert Londe(1858-1917)]
4000人もの不治の女たちが監禁されていた19世紀末のパリ、サルペトリエール病院。医師シャルコーと写真家ポール・レニャ−ルによって、多くのヒステリー患者の臨床写真が撮影され、1876年、『サルペトリエ−ル写真図像集』として刊行される。1880年代、「クロノフォトグラフィ(動態写真)」で知られるエティエンヌ・ジュール・マレーのもとで助手としてさまざまな装置を考案していたアルベール・ロンドは、写真部門の部長としてサルペトリエールへ来る。1882年、9つのレンズにより患者の動作一連をとらえる複眼カメラを発明し、1891年には12個のレンズに改良され、12枚の運動写真の撮影に成功。前任者レニャールたちの役割を事実上、引き継ぎ、1888年に『新・サルペトリエ−ル写真図像集 I 』を発行する。
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