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橋本一径『指紋論』&ジェフリー・バッチェン『写真のアルケオロジー』
刊行記念トーク


「はぐらかされる同一性ーー指紋と写真をめぐって」

橋本一径×前川修×細馬宏通

2010年11月12日(金)19:30〜

料金:1,000円 定員25名 ※要予約

※このイベントは終了いたしました。

トーク概要


橋本一径氏の初の単著『指紋論--心霊主義から生体認証まで』、そして前川修氏らによって訳されたジェフリー・バッチェン『写真のアルケオロジー』の刊行を記念して、橋本・前川両氏と細馬宏通氏をお迎えし、トークイベントを開催いたします。
身元確認の生体認証化や写真のデジタル化が進む現在、ともにその起源を19世紀にもつ指紋と写真をめぐるふたつの書物は、どのような問いを投げかけているのでしょうか。三氏のトークにご期待下さい!

※開催中の大友真志展「Mourai 11」は当日、18時30分に閉廊いたします。
※pg-shopで『指紋論』『写真のアルケオロジー』をご注文いただけます。会場でもお買い求めいただけます。

橋本一径『指紋論--心霊主義から生体認証まで』(青土社、2010)

19世紀後半、身元確認の手段として発見された〈指紋〉が与えた知られざる衝撃。指紋を残す 「幽霊」 たち、指紋捜査に冷淡な名探偵ホームズ、指紋採取に対する市民の嫌悪感情――。社会問題からオカルトまで歴史の謎めいた諸断片を渉猟し、近代的主体の変貌を鮮やかに描き出す逆説の身体‐社会論。(出版社ウェブサイトより)
ジェフリー・バッチェン『写真のアルケオロジー』 訳:前川修・佐藤守弘・ 岩城覚久(青弓社、2010)

写真の位相を捕捉するために、デリダの脱構築とフーコーの考古学を駆使しながら、既存の写真論を腑分けする。写真の発明以前の言説にまでさかのぼって精査し、そこに孕まれた亀裂や矛盾から、写真というメディアに憑依する多様な欲望を浮き彫りにする。(出版社ウェブサイトより)

トークイベント報告


写真黎明期のポートレートの修整や近年の指紋の取り扱われ方といった、『指紋論』に収まりきらなかった話題や図版とともに、著書の概要を橋本氏が発表するところからトークは始まりました。前川氏からは、身元確認が時代的な要請であったことの指摘、そしてアーカイヴとして不均衡にならざるをえない指紋と写真の関係などについて問いかけがなされました。細馬氏からは、指紋のとりつくしまのなさや顔のとりとめのなさ、あるいは指紋の扱い方の温度差といった、経験的なところから生じる指摘がなされました。質疑応答では、「はぐらかしえない同一性」についてや、読み取られてはじめて生起する指紋とその身元としての身体の分離などについて、意見交換がなされました。(米田拓朗)



略歴



橋本一径 HASHIMOTO Kazumichi

1974年生まれ。東京大学大学院修了。指紋研究、表象文化論。現在、愛知工科大学専任講師、武蔵大学兼任講師。著書に『指紋論』(青土社)、論文に「医学のエコーグラフィー」(『看護管理』 連載 :2009年5月号‐2010年3月号)など、訳書にジョルジュ・ディディ=ユベルマン『イメージ、それでもなお』(平凡社)、ピエール・ルジャンドル 『真理の帝国』(共訳、人文書院)など。
前川修 MAEKAWA Osamu

1966年生まれ。京都大学大学院修了。写真論、視覚文化論、芸術学。現在、神戸大学文学部芸術学准教授。著書に『痕跡の光学―ヴァルター・ベンヤミンの「視覚的無意識」について―』(晃洋書房)、共訳にジェフリー・バッチェン『写真のアルケオロジー』(青弓社)ほか、「パノラマとその主体」など論稿多数。関西を中心に活動する写真研究会に参加、「セクーラのアーカイヴ論」(2003)を発表。

細馬宏通 HOSOMA Hiromichi

1960年生まれ。京都大学大学院修了(理学博士:動物学)。現在、 滋賀県立大学人間文化学部教授。日常の身体動作分析が専門。他にも、視聴覚文化に関する研究を幅広く行っている。著書に『絵はがきの時代』(青土社)、『浅草十二階』(青土社)、『絵はがきのなかの彦根』(サンライズ出版)、『多人数インタラクションの分析』(共著:オーム社)など。

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